雑記

[レビュー] 10000mAhで小型、PD対応のモバイルバッテリー、AUKEY Basix Mini 20W

2021-11-11

持ち歩き用に購入したモバイルバッテリーのAUKEY Basix mini 20Wが使いやすかったのでご紹介します。

簡単なまとめ

AUKEYのモバイルバッテリー Basix mini 20Wは、次の理由から、スマートフォン用のモバイルバッテリーとしてお勧めです。

・10000mAhの容量がありながら、小型
・USB PDの入出力対応(最大出力20W)

ただ、次の点は注意が必要です。

・パススルー充電には期待しない方が良い
・商品説明の「クレジットカードサイズ」に期待しすぎてはいけない

入出力の計測もしています。計測結果までジャンプ

AUKEY Basix Mini 20W 概要

USB充電器、モバイルバッテリー製品を多く販売しているAUKEY(オーキー)から、Basix Mini 20Wという商品が販売されています。

AUKEYの商品と言えば

USB充電器、モバイルバッテリーと言えばANKER(アンカー)の商品が有名で、Amazonで「モバイルバッテリー」を検索すると、かなりの確率でヒットします。

なんだかANKER(アンカー)と似ている名前のAUKEY(オーキー。中国語で「傲基」。以前はAUKEYの商品もAmazonの常連だったのですが、最近はあまりみかけません。
これにはいろいろな事情があった様です(ここでは深く触れませんが、検索すると簡単に探せます)が、AUKEYの商品自体は結構良い物が多いと思っています。

私がこれまで購入し、今も使っているAUKEY商品は次の2つ。

PA-B7(PD対応、4ポート、最大100WのUSB充電器。旅行時など、コンセントの数が少ない場合に使用。)

AUKEY PA-B7 スマホ ノートパソコン 充電器 オーキー Omnia Mix4 ブラック / ホワイト iPhone 12 / 12 Pro / 12 Pro Max /12 Mini 4ポート USB-C USB-A タイプC タイプA PD対応 急速充電 ノートPC2台充電 100W Android ACアダプター

PA-B3(PD対応、2ポート、最大65WのUSB充電器。普段使い用。)

AUKEY オーキー AUKEY(オーキー) USB充電器 Omnia Mix 65W [USB-A 1ポート/USB-C 1ポート] ブラック PA-B3-BK [2ポート /USB Power Delivery対応 /GaN(窒化ガリウム) 採用]

また、かなり前に購入した古い商品ですが、こんなものも使っていました。
PA-U32(12W、2ポートの充電器。)

ACアダプター 2ポート 12W 急速充電器 USB充電器 USBコンセント PSE認証済み 折畳式プラグ スマホ充電器 携帯充電器 iPhone iPad Android 等のUSB機器対応

(古い商品でPD非対応な上、使っているうちにコンセントに指すピンが外れやすくなってしまったので、今は使っていません。)

※PD:Power Delivery
iPhone(最近のもの)、iPad、Android、Macbook、Windows PCで採用されている充電規格。
一般的なUSB充電器(iPhone付属の充電器など)に比べて供給できる電力が大きく、充電速度を速めることができます。
スマートフォンだけではなくノートPCでも対応端末が増えているので、充電器、端末側の両方をPD対応にすることで、一つの充電器をスマートフォン、ノートPCなど複数の機器の充電に使えます。

Basix Mini 20Wを選んだ理由

AUKEYのBasix Mini 20Wの話に戻ります。

最近はモバイルバッテリーの進化も著しく、PD対応、かつ小さい商品が販売される様になっています。
旅行用に、上着のポケットに入れながら使えるモバイルバッテリーが欲しくなり、容量10000mAhの商品を少し探してみました。

そこで見つけたのが、AUKEYのモバイルバッテリー、Basix Mini 20Wです。

PDの入出力対応で、最大20W。容量10000mAhある中ではかなり小さく、クレジットカードサイズ(厚みは結構あります)なのが魅力です。パススルーにも対応。

色はブラック、ピンク、ホワイトの3色あり、価格は2,980円。Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの他、ビックカメラの店頭などでも購入できます。
(家電量販店でも購入できる商品だと、少し安心感が出ます)

※パススルー(Path-Through)
モバイルバッテリー本体を充電(入力)しながら、出力側でスマートフォンなどを充電する機能。
充電器のポートが1つしかない場合に重宝しますが、モバイルバッテリー本体を充電している分、出力は落ちます。

比較対象として検討したのは、ANKERCIOの商品。

ANKER PowerCore 10000 PD Redux 25W
2021年11月時点で3,990円。

出力はBasix Mini 20Wよりも大きい25Wです。パススルーは非対応。
色はブラックのみ。

CIO CIO-MB20W-10000
2021年11月時点で2,728円。

出力は20W、パススルー対応とBasix Mini 20Wとかなり近いスペックの商品です。
Amazon以外では販売していない模様。色はブラック、ホワイトの2色あります。

AUKEY、ANKER、CIOの3つの商品を比較すると・・・

機能\商品名AUKEY Basix Mini 20W(PB-N83S)ANKER PowerCore 10000 PD Redux 25W(A1246011 )CIO CIO-MB20W-10000
最大出力20W25W20W
出力ポートUSB Type-C(20W)
USB Type-A(22.5W)
USB Type-C(最大25W)
USB Type-A(最大22.5W)
USB Type-C(最大20W)
USB Type-A(最大18W)
最大入力18W18W18W
入力ポートUSB Type-C(最大18W)USB Type-C(最大18W)USB Type-C、Micro USB
容量10,000mAh10,000mAh10,000mAh
パススルー対応非対応対応
サイズ(比較しやすい様に順番を変えています)80.5 × 57.7 × 27.0 mm 約 107 × 52 × 27mm105 × 52 × 25mm
重量174g194g178g
発売日2021年5月2021年9月2021年6月

正直なところ、そこまでの違いはありませんが、それぞれ次のメリットがある様です。
AUKEY:少し小さい(でもクレジットカードサイズは少し無理がある)、パススルー対応
ANKER:25W出力対応
CIO:Micro USB入力対応、パススルー対応

私の場合は「スマートフォンは18Wで十分なこと」、「持ち歩きのためにサイズが小さいこと」を重視して、AUKEY Basix Mini 20Wを購入することにしました。

ANKERの様に25WあってもノートPCなどの充電には足りない(30Wか、できれば60W欲しい)ですし、CIOの様にMicro USBを使う機器は手元にほとんどないため、使わないと判断しました。

パススルーは出力電力が少なくなってしまうため、「ポートが足りない時に便利かも」という程度の重要度と考えています。

レビュー

外観

今回は家電量販店(ビックカメラ)で購入しました。
2,980円で、ポイントが10%付きました。

家電量販店に置くことを意識しているだけあって、箱の見た目も綺麗です。

モバイルバッテリーだけで1コーナーあることが多いですが、展示品は大抵ANKERのものばかりでした(PowerCore 10000 PD Redux 25Wもありました)。

中には説明書、保証書とUSBケーブル(30㎝)が入っていました。
保証書には特に店名の記載がなかったので、購入店のレシート、保証書も一緒に保管しておいた方が良さそうです。

さらっとして光沢を抑えた見た目です。
LEDのインジケータが4つあり、残容量を25%刻みで表示します。

ポートは、USB Type-C(入力or出力)、USB Type-Aが対の位置についています。
鞄の中で両方のポートを同時に使用する様な時は、少し収まりが悪いかもしれません。

USB Type-C(入力、出力兼用)Type-A(出力専用)

クレジットカードと同じサイズの交通系ICカードに重ねたところ。

カードの長辺よりは短いです。

短辺で比べると、少しはみ出します。

Basix miniの大きさは 80.5 × 57.7 × 27.0 mm、国際クレジットカードの大きさは85.60 × 53.98 × 0.76mm
短辺、厚みはクレジットカードより大きく、商品説明の「クレジットカードより小さい超コンパクトサイズ」は、長辺についてのみを指す様です。
・・・とは言え、10000mAhにしてはかなり小さいことは確か。

丸みを帯びているので、単独で持ったときは手に馴染みます。
言い換えると、丸いので、スマートフォンと重ねて持つとそんなに安定しません。

私はスマートフォンとモバイルバッテリーを両方(上着の)ポケットに入れるか、モバイルバッテリーのみをポケットに入れてスマートフォンを手持ちすることが多いです。

入出力計測

一応レビューなので正常動作することを確認するために入力電力、出力電力、パススルーでの出力電力を測定しました。

Type-Cケーブル(両端がType-C)にはダイソーで購入したケーブルを使用しています。
電流3A対応品です。

計測にはこちらのテスターを使用しました。
100W(20V/5A)まで対応しています。

入力(モバイルバッテリー本体へのType-Cポートを使用した充電)

本体の充電ランプが半分(4つ中2つ点灯)になった状態で確認しています。

写真に入れ忘れましたが、充電には上でもご紹介したAUKEYのPD3.0対応充電器、PA-B7を使用しています。

AUKEY PA-B7 スマホ ノートパソコン 充電器 オーキー Omnia Mix4 ブラック / ホワイト iPhone 12 / 12 Pro / 12 Pro Max /12 Mini 4ポート USB-C USB-A タイプC タイプA PD対応 急速充電 ノートPC2台充電 100W Android ACアダプター

約17.6W(12.01V/1.469A)で、およそ18Wの充電が確認できました。

 

出力(モバイルバッテリーから機器へのType-Cポート出力を使用した給電)

モバイルバッテリー(Basix mini)からSurface Pro7への充電。
こちらも本体の充電ランプが半分(4つ中2つ点灯)になった状態で確認しています。

約17.4W(11.89V/1.463A)なので20Wには及びませんが、およそ18Wの充電までは確認できました(Surface Pro7はPD3.0対応を明示していない)。
他の機器も試しましたが、ほとんど変わりませんでした。20W出すには、機器の相性などもあるのかもしれません。

パススルー(モバイルバッテリーに充電しながら機器を充電)

パススルーの時は、Type-Cポートからモバイルバッテリーに入力、同時にType-Aポートから機器に出力します。
理想は、Type-Cへの入力が約18Wで、Type-Aからの出力が機器に応じた出力になること、ですが・・・

パススルー時のモバイルバッテリーへの充電電力(Type-C)と、モバイルバッテリーからの出力電力(Type-A)を測定しました。
(下の写真で、左側のケーブルの先にはPA-B7がいます)

モバイルバッテリーへの充電電力(パススルー時)

約7.5W(4.996V/1.524A)と、思ったより電力が出ませんでした。
出力側に機器を繋ぐまではおよそ18Wで充電できているのですが、機器を繋いだ途端に5Vまで落ち込みます。

機器への充電電力(パススルー時)

(テスターを1個しか持っていないので、再接続しての測定ですが)電力は約6.6W(4.77V/1.404A)。
入力が7.5Wということを考慮すると、Basix miniにはほとんど充電されていないと考えられます。

念のため、出力側(USB Type-A to Type-C)には付属の30cmケーブルを使用しています。

パススルーについては、そんなに期待しない方が良さそうです。
夜、寝ている間に1個のUSB-C出力からBasix mini、スマートフォンの両方を充電することを想定していましたが、朝になってもBasix miniの充電が終わらない可能性があります。 

持ち歩きなら長さ1mがおすすめ

個人的には、持ち歩き用途なら、USBケーブルの長さは1mにしています。
モバイルバッテリーを上着のポケットに入れ、スマートフォンを手に持って歩く場合を想定しています。

ポケットが浅い場合は少し余りますが、上着のポケットが少し深い場合に余分が必要になるので、それを考慮すると1mがちょうど良いです。

100円ショップのケーブルでも使えた

Basix Mini 20WでUSB Type-Cケーブルを使用する場合の最大電流は、入出力共に2.4Aです。

USB-C 入力:(PD 3.0) 5V 2.4A / 9V 2A / 12V 1.5A
USB-C 出力:(PD 3.0) 5V 2.4A / 9V 2.22A / 12V 1.67A

5A、3Aなどの対応品は限られてきますが、2.4Aであれば、対応したケーブルも多くあります。
100円均一でも購入することができます(左側が今回使用した3Aケーブル、右側は2.4Aのケーブル。いずれも1m)。

曲げ伸ばしが多いUSBケーブルなので、これくらい気軽に買えるものがあると、気分も楽です。
3A対応品だと中の銅線が太いためにケーブルが硬いものが多いので、こだわりが無ければ2.4A対応品でやわらかいケーブルを選んでも良いと思います。

容量10000mAhについて

モバイルバッテリーが10000mAhでも、2500mAhのスマートフォンを4回充電できるわけではありません。

実際には、モバイルバッテリー側での電圧変換損失(3.7V→5V、3.7V→12Vなど)と、充電されるスマートフォン側での電圧変換損失(5V→3.7V、12V→3.7V)などがあり、合計して70%程度(60%程度と書いているページも)に感じることが多い様です。モバイルバッテリー内部の電力を全て使い切れるわけではないことも、容量が少なく感じる理由の1つとのこと。

Basix Mini 20Wの本体裏側には、定格容量5800mAhと記載がありました。
これは5V で計算した容量を指します。対して、商品名と併記される「10000mAh」は3.7Vのときの容量です。

10000mAh/3.7Vの電力は7400mAh/5Vに等しく、この値から計算すると、モバイルバッテリーの出力時点での効率は78%(5800 ÷ 7400)となります。
(ANKER PowerCore 10000 PD Redux 25Wは本体表示6600mAhで89%とAUKEYより良好。容量が少ないという誤解を避けたいためか、Web上に記載しないメーカーが多い気がします)

この後にスマートフォン側でも損失があるので、元の10000mAhから考えた体感の容量(モバイルバッテリーだけではなく、スマートフォンにおける損失も考慮した容量)は70%かそれ以下になってもおかしくなさそうです。
2500mAhのスマートフォンを充電できるのは2回~3回未満と考えた方が良さそうです。

まとめ

AUKEYのモバイルバッテリー、Basix Mini 20Wをご紹介しました。

私の環境では出力18Wまでしか再現できませんでしたが、特に問題は感じていません。
10000mAhでここまで小さくなったことに驚きました。

紹介したうち、小さいものが良ければAUKEY Basix Mini 20Wを選ぶ価値はありそうです。
ブラック、ホワイト、ピンクの3色あり、好みに合わせて選べます。

パススルーには期待しすぎない方が良さそうですが、使いやすくて良い商品だと思います。

ANKER PowerCore 10000 PD Redux 25Wも十分小さく、定格の効率はAUKEYよりも良好でした。
その点では十分お勧めできます。

※追記 現在はSurface Laptop等への給電を考えて、30W出力できるCIOのSMARTCOBY Proを使用しています。

  • この記事を書いた人

KC

スニーカー、家電系記事全般を担当しています。

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