雑記

G-SHOCK ソーラー充電の条件と、充電用LEDライトを検討

2023-03-02

意外と充電切れしやすいソーラー充電式Gショック(G-SHOCK)の充電用に購入したLEDライトをご紹介します。

簡単なまとめ

ソーラー充電式腕時計(Gショック)は、意図的に光が強い場所に設置しないと、日常生活で充電することは難しい。

応急的にシーリングライト、LED電球などのごく近傍に置いて充電することは可能。

 

また、ソーラー充電式腕時計(Gショック)の充電用に、AC電源で動作する安価なLEDライトを購入しました。

・消費電力10Wで十分な明るさ(密着させると90,000ルクス超え)があり、数か月使用できる分の充電をまとめて行える(2時間で16%分くらいは充電できた)

・2台までまとめて充電可能(LEDライトの種類を変えればもっと増やせる)

・(マイナスポイント)ちょっと明るすぎる

購入したLEDライトはこちらです。

また、ライトがない場合でも、一般家庭のLED照明のすぐ近くに腕時計を置くことで、応急的な充電は可能です。

※熱が発生して危険なので、白熱電球ではなく、LED照明を使う様にしてください

ソーラー充電の条件いろいろ

ソーラー充電は意外と難しい

充電切れを気にせず使えるソーラー充電を搭載した腕時計。
上手くいけば、時計が壊れるか、電池が寿命を迎えるまではずっと電池切れを気にせず使用し続けられるので、購入時にあればうれしい機能の一つです。

「……と思って購入したら、思ったより早く電池切れした」という経験はないでしょうか。
私はソーラー充電式のGショックをいくつか所有しているのですが、気づくと電池残量の警告が出ていて、慌てて充電したということがありました。

購入前には「日常的に日光や明るい部屋で充電されるので、腕時計が壊れるまでずっと電池の消耗を気にせず使える」と思いがちですが、実際には思ったほど充電されていない様です。

スペック上、Gショックの電池はどれくらい持つのか

私が所有しているGショックのうちの1つはGMW-B5000。
一時期話題になったフルメタルのモデルで、ソーラー充電に加えて、スマートフォンとのBluetooth接続機能も備えています。

GMW-B5000メーカースペックでは次の通り記載されています。

駆動時間
フル充電時からソーラー発電無しの状態での駆動時間
機能使用の場合:約10ヵ月
パワーセービング状態の場合:約22ヵ月

取扱説明書には、使用条件についても記載があります。

持続時間 約10カ月
使用条件:
 光に当てないで、以下を使用
 自動時刻補正 4回/日
 アラーム 1回(10秒間)/日
 ライト点灯 1回(2秒)/日
 パワーセービング 6時間/日

私の場合、フルオートライト(傾けるとLEDライトが自動点灯する機能)を使用しているためか、体感では10カ月よりも短い印象です。
もし、うまくソーラー充電されていないとしたら、それもおかしくありません。

他にもGW-M5610MD-7JFという機種(ソーラー充電式のGショック。Bluetooth機能なし。)も所有していて、こちらのメーカースペックは次の通り。

駆動時間
フル充電時からソーラー発電無しの状態での駆動時間
機能使用の場合:約10ヵ月
パワーセービング状態の場合:約26ヵ月

GMW-B5000と比較するとパワーセービング時の時間が少し長いですが、機能使用の場合の使用期間は約10カ月なので、大きく変わりない様です。

毎日両方の腕時計を付けているわけではないですし、頻度も違うので、あくまで感覚的に、ですが、GMW-B5000(フルメタル)の方が早く電池が切れる印象です。
(実際のところ、「GMW-B5000での電池残量警告が出ているのに気づき、慌てて他のソーラー充電式腕時計も充電する」というパターンです)

※GMW-B5000はスマートフォンとペアリングすると、1日1回、自動で時刻補正を行います。電池切れが早いのはこのためと考えられます

ソーラー充電の条件

出先で充電不足に気づいたとき、慌てて少しでも充電しようと試みたのですが、思った様に充電できませんでした。
充電に必要な明るさはどの程度なのでしょうか。

カシオの場合(Gショック)

GMW-B5000D-1JF(フルメタルの方)の製品サポートページから「操作ガイド(PDF版)」をクリックすると、「3459」という共通モジュールの操作ガイドが表示されました。

「3459」の充電時間について書かれている内容をまとめると次の通り。(操作ガイドから抜粋)

光量充電切れから時計が動き出すまで時計が動き出してから満充電まで1日使用するために必要な時間
①晴れた日の屋外など(50,000ルクス)3時間45時間8分
②晴れた日の窓際など(10,000ルクス)10時間168時間30分
③曇りの日の窓際など(5,000ルクス)16時間270時間48分
④蛍光灯下の室内など(500ルクス)208時間-8時間

④の「時計が動き出してから満充電まで」が「-」なのも操作ガイド通りに記載しているのですが、恐らく満充電まで到達しないか、充電に要する時間が長すぎることを示していると思われます。

「1日使用するために必要な時間」を見ると、充電が切れかけているときに使えるのは①~③までと考えられます。

日常的に身に付けているときに①~③になる環境が多ければ問題ないのですが、常に時計が明るい方を向いているわけではありませんし、季節によっては服の袖に隠れていますので、生活スタイルによっては達成が難しそうです。
④を見ると、500ルクスの明るさで8時間放置できる環境があれば、1日動かせる程度の充電ができることがわかります。

セイコー、シチズンの場合

Gショックはカシオの製品ですが、その他のメーカーの条件はどうなっているでしょうか。

有難いことに、明るさの基準は異なりますが、ある程度書き方が決まっていることがわかりました(おそらく業界標準がある)。
機種が違えば電池の容量も違い、満充電までの時間を比較しても意味がありませんが、あくまで参考として確認してみました。

セイコーの場合は、1B25または1B35(アナログタイプのソーラー充電対応腕時計)というムーブメントの取扱説明書に記載を見つけました。
上記Gショックの記載に合わせて位置関係を修正したのが下の表です。(あくまで一例として。①~④などの数字はこちらで勝手に付与しています)

光量時計が止まっている状態から確実に1秒運針になるまで時計が止まっている状態からフル充電まで運針している状態で1日ぶん動かすには
①太陽光 快晴(夏の直射日光下) (100,000ルクス)30分24時間3分
②太陽光 曇り (10,000ルクス)1時間60時間15分
②蛍光灯 30W 5cm (10,000ルクス)
③蛍光灯 30W 20cm (3,000ルクス)5時間200時間1.5時間
④蛍光灯 一般オフィス内 (700ルクス)--5時間

縦軸のタイトル「充電切れから時計が動き出すまで(カシオ)」「時計が止まっている状態から確実に1秒運針になるまで(セイコー)」など、書き方は違いますが、おおむね同じことを意味していると思われます。

この時計の場合は、700ルクスの明るさで5時間放置できれば、1日分動かせる程度の充電ができることがわかります。
カシオと違うのは、晴れた日の屋外について、基準が100,000ルクスと明るくなっていることです。(もしかしたら、Gショックも100,000ルクスの場所に設置できれば、もっと速く充電できるかもしれません)

シチズンの場合は、H100という機種(アナログタイプのソーラー充電対応腕時計)のサポートページ(H100-H109共通)を参考にしました。(こちらもあくまで一例として。①~④などの数字はこちらで勝手に付与しています)

光量時計が停止してから通常に動き出すまで時計が停止してから充電完了まで通常に動く状態を1日保つ
①屋外 晴天 (100,000ルクス)40分16時間5分
②屋外 曇天 (10,000ルクス)1.5時間40時間12分
③蛍光灯 30W 20cm (3,000ルクス)3時間150時間40分
④屋内照明 (500ルクス)14時間-4時間

この時計の場合は、500ルクスの明るさで4時間放置できれば、1日分動かせる程度の充電ができることがわかります。
こちらも、カシオとは異なり、晴れた日の屋外について、基準が100,000ルクスと明るくなっています。

各社の記載から

統一の記載ではなかったのですが、それぞれの最低ラインを取って、次の様に理解しました。

・時計を外した時に置く場所(毎日5時間以上設置する、決まった場所)の明るさを500~700ルクスくらいにできれば、毎日自宅で少しずつ充電できそう

・10,000~100,000ルクスくらいの明るさの場所を用意できれば、1~数時間程度でまとめて数十日分~の充電ができそう

身の周りの明るさ

身の周りの環境でどれくらいの明るさがあるか確認してみました。

調査方法

照度の計測にはスマートフォン(Android)のアプリ「照度計 Smart Luxmeter」を使用しています。
スマートフォンの画面側についた明るさセンサを使用するもので(入射光方式)、実際の照度計の精度には遠く及ばないことは明らかですが、今回は目安が分かれば十分です。

画面の明るさを自動設定するとき等に使用される照度計(入射光方式)を使用していて、スマートフォンの画面側を光の方向に向けて測定します。

急激に強い光にあてた場合など、値が大きく振れてしまうことがあるので、どの場合でも、一度リセットしてから値を読む様にしています。

※本当はiOS用アプリも使用したかったのですが、測定の仕組みが異なり(反射光方式)、値が安定しなかったため、今回は見送っています

一般家庭の屋内

LEDシーリングライトの真下

遠距離

12畳用LEDシーリングライトの真下、距離1.7m地点で約500ルクス

測定した部屋の天井は2.4m、一般的なテーブルの高さ0.7mで、照明からおよそ1.7mの距離。

20cm近づけたところ(距離1.5m)、750ルクス程度まで上がりました。

この明るさで④相当(5~8時間充電して、1日分)。
しかも、左右にずらすと、値はどんどん小さくなります。

基本的に照明は部屋の中央にあることが多く、その真下にテーブルがあることはあまり多くないと思われます。

このことから、意外と「毎日自宅で少しずつ充電」ができる環境は作りにくいことがわかります。

※LEDシーリングライトの明るさ、その位置関係は、機種により大きく異なります。ちなみに、12畳用は結構大きい部類に当たるので、多くの場合はこれよりも低くなると思われます。

近距離

照明に密着させてみたところ、20,000ルクスまで上昇。
②の明るさになりましたので、応急処置として使用できそうです。

LED電球(40W相当)

40W相当のLED電球(昼白色)の真下でも測ってみました。

遠距離

こちらは距離1.7m程度で50ルクスもなく、かなり暗いです。

※LED電球の明るさ、その位置関係は、機種により大きく異なります。

近距離

LED電球については裏技(?)があって、E26口径に対応した器具があれば、自由な位置に配置できます。
(下は、100VコンセントからE26口径に変更する器具へのリンクです)

電球に密着させて測定すると、40,000~50,000ルクス
(画像はキャプチャが遅くなっていますが、左下の「最大値」の値をご確認ください)

かなり明るくなりました。これなら①にかなり近く、数時間程度でまとめて数十日分~の充電ができる環境になります。

※白熱電球より熱が抑えられているLED電球ですが、熱を発生しますので、可燃物や時計と長時間密着させない様にご注意下さい。

LED電球(100W相当)

LED電球は、100W相当までなら容易に入手できます。こちらも昼白色。
100W相当になると、正面からでなくとも、直視できないほどの明るさがあります。

遠距離

100WのLED電球(昼白色)の真下でも測ってみました。
こちらは距離1.7m程度で120ルクス程度と、(充電するには足りませんが)40Wよりもかなり改善しました。

近距離

電球に密着させて測定すると、100,000ルクスを超えました。
①を十分に満たす明るさがあります。

①を十分に満たす明るさになりましたので、応急処置として使用できそうです。

※白熱電球より熱が抑えられているLED電球ですが、熱を発生しますので、可燃物や時計と長時間密着させない様にご注意下さい。

屋外

晴天

晴れた日の屋外、空にほとんど雲がないときに測定すると、100,000ルクスを簡単に超えるところまで到達しました。
(画像では、リアルタイム表示は9999×10で振り切れています。左下の「最大値」でおよそ130,000ルクスになっています。)

曇天

曇天時は雲の出方によってばらつきが大きく、一概に表現することは難しいですが、10,000ルクス以上は狙えそうです。(画像はおよそ30,000ルクス)

屋内で充電するためのLEDライト

これまでの調査でわかったことは次の通りです。

・屋内で常時500~700照度の明るさを保てる場所を用意するのは難しい(部屋の間取り、照明の位置に大きく依存する)

・LEDライトの近距離であれば、簡単に100,000ルクス以上の照度を達成できそう

ということで、手軽に使えて、腕時計を安定して置けそうなLEDライトを探してみました。

※購入した時は1,500円以下だったのですが、記事作成時には少し値上がりしています

この機種を選んだ理由は次の通り。

消費電力が小さい(10W)

・サイズが小さい(使用していないときに片づけやすい)

・特殊な器具が要らず、一般家庭のコンセントに挿すだけで動作する

光るのは中央の黄色い部分。周囲の銀色の部分は反射板です。

光らせると、直視できないほどの明るさになりました。

表面には透明で平らな板が付いているので、黒い部分の内側に腕時計を置けます。
ちょうど2個置けました。

平置きして安定しそうだと思ったのですが、背面についているケーブルが硬く、ちょっとガタガタします。
とはいっても、時計を置く分には大きな問題がありませんでした。

明るさは、透明な板に密着させると90,000ルクス程度でした。①に届くか届かないか、というところで(偶然ですが)ちょうど良い明るさです。

温度も思ったより高くならず、手で触り続けていても全く問題ない程度。これなら十分に充電できそうです。

この記事をみて購入する方がいるかわかりませんが、かなり明るいのでご注意ください。

充電してみた

購入したLEDライトを使用して、実際にGMW-B5000を充電してみました。

この機種はBluetooth接続機能があり、G-SHOCKアプリでバッテリーの残量を大まかに確認できます。
(充電残量表示は一番左上、時刻の下です)

G-SHOCKアプリにおいて、GMW-B5000の電池残量表示は、1目盛り16~17%程度と見ています。

アプリ画面の中ですごく小さく表示されているのでわかりにくいのですが、充電しているときの一番小さな目盛りの変動は「全体の1/6ずつ」(1目盛り16~17%)でした。

1/5か1/10刻みかと思ったので意外でしたが、もしかしたら「0/6」の表示を無くして5段階で20%刻みの表示にしている可能性もあります。

いずれにしても「1目盛りの変動で16%以上充電できている」(5目盛りなら1目盛りで20%)と言うことはできそうです。

 

今回は、正確に1目盛り分の充電に要した時間を知るために、次の様に測定しています。

・Gショックアプリと同期させて充電を開始。目盛りが1つ変化するまで待つ。(今回は3目盛り→4目盛り)

・目盛りが1つ変化したら(4目盛り)、測定を開始。

・もう1つ目盛りが変化したところ(5目盛り)で時間を記録。

15分程度おきにチェックしているだけなので、かなり大まかですが、「2時間で1目盛り分」充電できていることを確認できました。

(↑本当は17:00時点でもう1目盛り少ない表示になっている状態を記録しておくべきでした)

Gショックの場合、公式の情報で、①(晴れた日の屋外、50,000ルクス)でフル充電に45時間かかるとのこと。
16%あたり、7.2時間かかる計算なので、これより速度が出ている、良好な結果です。

これなら、バッテリー残量が減っていることに気づいたとき、または旅行前などに数時間放置するだけで、しばらくの間使える分の充電になりそうです。

※途中にも書いていますが、カシオは現実性を考慮して基準を低めに表示している(100,000ルクス→50,000ルクス)可能性があるので、それより明るいLEDライトで充電すれば速度が出るのは当然とも考えられます。充電速度はあくまで参考程度に留めて下さい。

※携帯電話/スマートフォンの充電と同様に、同じ明るさに当てていても、電池残量によって充電速度が変化すると思われます。

熱がこもらないか不安でしたが、特に問題はありませんでした。
少し暖かいですが、素手で長時間触り続けても全く問題ない程度です。

欠点があるとすれば、明る過ぎるところ。
寝室に置いて、寝ている間に充電できればよかったのですが、10Wとは言え、明る過ぎます。
発光部分の面積が同じであれば、これより電力が大きいLEDライトを選ぶ必要はなさそうです。

※熱がこもると危険なので、念のため、布を被せたり、密閉しての使用は避けて下さい

まとめ

ソーラー充電式腕時計(Gショック)は、意図的に光が強い場所に設置しないと、日常生活で充電することは難しい。

応急的にシーリングライト、LED電球などのごく近傍に置いて充電することは可能。

 

今回検討したLEDライトの特徴は次の通り。

・消費電力10Wで十分な明るさがあり、数か月使用できる分の充電をまとめて行える

・2台までまとめて充電可能(LEDライトの種類を変えればもっと増やせる)

・ちょっと明るすぎる点に注意

 上記ページから20W、25Wなどの機種も選べます。
もし同時に充電したい台数を増やしたい場合には面積が大きい機種を選ぶことで対応できそうですが、その分明るくなるので、ご注意ください。(10Wでも明るすぎる)

  • この記事を書いた人

KC

スニーカー、家電系記事全般を担当しています。

-雑記
-